フロアの視線をひとりじめ

結婚式二次会に使うアスコットタイを探しに
新宿の小田急にいってきたときのことです。


メンズフォーマルフロアを散策していたんですが、
平日の昼間ということもあって人はまばら。
僕以外のお客さんはフロア内にも10人いたかどうか、というところです。


ポールスチュアートやバーバリーなど名だたるブランドショップに入っても
なかなかアスコット自体の取り扱いがないらしく、
すぐ見つかると思っていた僕はしょんぼりしていました。







半ば諦めかけていたころ、奥のほうにある小さな店舗に入り
すみっこでぼんやりしていたおじさん店員さんに声をかけてみました。
「あの、グレーで無地のアスコットタイはありますか? できれば光沢がある感じの」
「うーん、うちでは取り扱いないですねえ……ちょっと待っててくださいね」


そういうと店員さんは隣の店舗の店員さんに声をかけてくれました。
「アスコットおたくある?」「うーん、ないです」


仕方ないなあと思っていると、今度はその向かいのお店にまで。
「アスコットはあります?」「無地はー…ないですね」


次はそのとなり。
そのまた向かい。
さらにとなり。




「アスコットタイは?」「うちはないです」「あそこならあるんでは?」
「うちでもグレーはないんですよ」「おたくなら無地系もあるんじゃないですか」
「聞いてみますね、ちょっとまってください」「あ、うちにも近いのありますよ!」
「ちょっと・探して・みよう・かなー」「電話つながらないですね、ちょっとまって」








このフロアのショップというショップが総出。







僕のグレーで無地で光沢のアスコットタイを探すためだけに
数十人の店員さんが動いてくれました。それはもうわさわさと。






結果、ネクタイ専門店の某店で無事購入することができました。
おかげで結婚式は無事に迎えられそうです。




小田急メンズフロアの平日昼間におけるヒマっぷり親切な対応は本当に感動しました。
サービス業って、本当にすごい。