バラモスゾンビに隣接された僕

本を読みたい、ビジネス本とかの勉強じゃなくて
本が読みたいのだ、と切実に思い
池袋地下の西武線構内にある本屋さんで
最近話題の



「つくもがみ貸します」

つくもがみ貸します (角川文庫)

つくもがみ貸します (角川文庫)



「砂漠」

砂漠 (新潮文庫)

砂漠 (新潮文庫)



を購入した僕は意気揚々と西武線に乗り込んだところ
つり革に捕まりながらケータイで麻雀やってる毛むくじゃらの男がおり
やや、あいつはきっと酸っぱい臭いがするぞ離れて本を読もうと思ったのだけれど
帰宅ラッシュに巻き込まれてその毛むくじゃら男の真横に押し込まれ、
やれやれ致し方ない小説でも読んで気を紛らわすかとバッグに手を入れた瞬間
つううぅぅぅぅぅんん、という半ば暴力的な異臭が僕の鼻を強襲し
バクテリアンと対峙したクリリンさながら悶絶してしまい
クリリンは鼻がなかったからよかったものの僕の場合はつまんでも
まだ臭うからどうしたものかと困窮していた矢先
奴はあろうことかワキを開いてぽりぽりとかいたため、その異臭は
具体的に言うとベギラママダンテくらいまで跳ね上がり
その恐ろしさたるやバラモスゾンビ3体分に匹敵するほどで
僕はおのれおのれ、ここまで邪悪なオーラははじめてだ、悔い改めよと
心の底から思ったものの、降りる駅まで残り10分ということで
前例がないほどメンタルフィジカルともに疲弊しながら
まだまだ先が長い平日の夜を過ごしていたのだった。