タマラ・ド・レンピッカ展
たまには美術館でも行ってみんべ、と
渋谷のBUNKAMURAに行ってきました。
特にこれを観よう、と思っていたわけではないんですが
ちょうどやっていたレンピッカの絵を観て
これはおもしろそうだ、と満場(二人)一致で入場することが決まりました。
タマラ・ド・レンピッカは女性の近代画家で、
その類まれなる才能と美貌から、多くの男性に愛されてきたアイドルです。
一人目の旦那であるウェンピスクとのあいだに生まれた娘、キゼットをモデルに据え
両性愛や女性の社会的地位の確立をテーマに、艶めかしい作品が多いのが特徴。
それでも、どこか機械的でしっかりとした線で構成されているため
色のコントラストが美しく、存在感が強いところが印象的でした。
世界恐慌をその身に浴びて娘と亡命をしていた経験からか、
彼女が描く女性は大きく分けて二つあります。
ひとつは、目のクマを隠さず肩に泥を乗っけたように疲弊した女性。
ひとつは、はっきりと物を見据えた芯の強く美しい女性。
どちらもタマラの自己投影が色濃く出ている画風なのでしょう、
よほどつらい人生を送ってきたのだとわかります。
抽象画の要素は皆無で、
心に残る、というよりかはその線の太さから
これがわたしだ、わたしの絵を観ろ、という
強い意志が感じられました。
なかなか面白い展示会でした。
芸術に詳しくなくとも全然楽しめるので、これはかなりおすすめです。