ハカイ的なロックとセカイ的なロック


タワレコでしこたま視聴してきまして、
久々に「こここれだ…ッ!」と思えるものがあったので
おそるおそる財布と相談。



財布「向こう1カ月無駄に飲み物買わないってんならいいよ」



わぁい、ありがとうー。






19972007(初回生産限定盤)(DVD付)

19972007(初回生産限定盤)(DVD付)


デビュー10周年を迎えたBOOMBOOMSATELLITESのベストアルバム。


一発屋の新人アーティストが嫌々2年目に出すそこらのベストとは訳が違う。
彼らの音はどこまでも重く疾く脳をつんざき爆音を鳴らすのだ。


10メートル離れたところから0コンマ2秒で目と鼻の先に現れ
腹に響く重低音と共に火花を散らし雷をばら撒くようなそんな破壊力と存在感を持ち、
かつスピードとストップを他の誰にも為し得ないようなタイミングで繰り返す。
そのため聴いていてまったく飽きがこない、というか、
むしろ一歩ずつ彼らの地下世界に引きずり込まれるのだ。不思議な高揚感を胸に秘めて。


例えるなら世界最速の黒いハルク。


この圧倒的な破壊力に魅せられてしまうのは仕様の無いことなのだ。







ちょっと前にメジャーデビューを果たしたスリーピース・バンド
この音がヘッドフォンから流れたその瞬間から、僕は一瞬でその独特の世界に引き込まれた。
そのメロディや歌詞はとりわけ特徴的である。
収録されている「生物学」「天使の胃袋」「冷血と作法」という名はそれはまぁひどく特徴的なんだけれどもそういう意味では決してはなくて、歌詞が極めて文学的なのである。こういう言い方は難だが、真の意味でのアーティスティックである、というか。
エフェクトをかけたギターが、わあぁぁん、と響いている中でかすれた美しい声で謡うのだ。






あなたは白くだだっぴろい世界に放り出される。





そこに神のような声がふわり、と降りてくる。
その神はなんとなく滑稽で、意外とリズミカルで馴れ馴れしい。




足元に花が咲き、
頭上には虹が通り、
ビルや車やとにかく世界が、音につられて造られていく。





世界を再構築する音が、そこにはあるのだ。






People in the boxは決して既存の音楽に縛られない、と言った。
言う通り曲の構成は独特だし歌詞は若干痛々しい。
だが、このバンドの作る音はそこらへんのセカイ系を気取るバンドのそれではなく、
本当の意味でのセカイ的な音楽を産み出しているのだ。




…まぁ、ぶっちゃけちょっとRADWIMPSぽい。




このCDには収録されてないけど、1曲紹介。

だいじょうぶ、怖くないPVだから安心して観て。












木村カエラとかたむらぱんとかとも迷ったけど、とりあえずこれ買って良かった。
やー、満足まんぞく。