ホテルビーナス
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2004/09/10
- メディア: DVD
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人間ってのは誰だって何かしら生きていくのに背負わなきゃいけないものがあって、
かといって背負っているものをわざわざ醜く曝け出すことはないし、
むしろひた隠しにして生きてゆきたい人だってそれなりにいる。
そんな影に流れてきた人間たちの最後の到着点、それがホテル ビーナス。
彼らが以前どんな人生を送ってきたかは問題ではない。
本当の問題は、ここで、何を見つけ、何を想い、旅立つのか、留まるのか。
そんなホテル ビーナスの主演をチョナンカンこと草薙(字出てこない。) 剛が演じる。
つかず離れず、こういう人間関係って実はもっとも美しいんじゃないかと僕は思う。
下手にくっつきすぎても息が詰まるし、離れすぎたら寂しくなる。
お互いの余計なことは詮索せずに、本当に言いたいことを言い合える仲間というのは素敵だなと思うし、羨ましくさえ感じる。
ただこういう時間の止まった場所というのは動き出すのになんらかのきっかけが必要であって、そのタイミングを逃してしまうとそこはただ「朽ちていくだけの場所」になってしまう。今回そのきっかけはガイとサイだったわけだけども、でも直接他の住人たちを動かす原因になったわけじゃあない。でも(また前と似たような話だけども)自分らの空間にまったく違うタイプの人間が混じったことによって価値観に影響が出たのは確か。それが成長かどうかはわからないけど、いい意味でも悪い意味でも進めたというのは「育つ」ということだと僕は思うのだ。
この映画、時間の流れが若干遅くて、明るいところも暗いところもうまく描かれてる。
ラブサイケデリコのBGMが序盤ちょっと多すぎる感もしたけど、感情移入には持って来いなので、ぜひ鑑賞をお勧めする。