偶然にも最悪な少年
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2004/03/21
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いっちー主演のB級邦画。これがまた実にB級で面白い。
舞台はパラレルワールドの日本。いやこれが別にリアルの世界でも全然構わないんだけど、
なんというか、紙一重の狂気が往行する渋谷ってのもそれはそれで。
お姉ちゃんが死んじゃったので、
ただなんとなく故郷の韓国に連れてこうと思った少年は、
死体を盗んで友達と一緒に、旅に出ました。
もちろん、なんも考えてません。
って話。
で、この少年というもの実に今この時間を楽しんで生きていて、
本当にそれ以外のことは気にすることなく過ごしているわけ。
だからナイフで刺すと人は死ぬけどそれが昼ごはんにどうも影響しなけりゃ別にいいし、
車が横転して人は死ぬけどそれがこれから行くとこにどうも影響しなけりゃ別にいい。
まぁもともと人ってのはルールっていう鎖で縛ってあるからこそ正気を保っているのであって、
自分に失うものが何もなくてそのルールってのが自分にとってどうでもいいと思えば
そりゃ他人から見たら狂っているように見えるのだろう。
別に「生と死についてあーだこーだ」っていう大層な話じゃなくて、
例えばその合間というのは非常に薄っぺらい壁でしか仕切られていないんだよ、と的なことも含まれてる気がするけどそれはきっと気のせいで実はやっぱり何も含んでないんだろうな。
だけどそれこそが真実の純粋であって、彼はただその「なんとなく」精神だけで旅に出て気楽に気楽に目的を果たしてしまうってのはそれはそれで相当な行動力として評価に値するし、世の中を心底楽しんでるのってこういうタイプなんだなと思った。
んでこーゆー映画見終わると、やっぱりキャストとかの振る舞いの真似したくなっちゃうよね。
タバコ一本吸うにしてもかっこつけたりなんかしたり。
まあナイフ振り回したり銃ぶっぱなしたりはもちろんしないけどさ。
作中のセリフ、
「死んでないよぉー。全然死んでない」
生きてても死んでるやつもいるし、
死んでても生きてるやつもいるってことかね。はは、皮肉ぅ。