ディレクター


散らし配りのディレクターにやってきたわけなんですが、
事務所の指示通り現場に着くとそこには一人の配布スタッフもおらず、
投げやりに路上にて鎮座する300セットのジョブ・アイデム求人雑誌)。
思わず泣き崩れそうになりました。



えーと。






えー、落ち着け落ち着け僕。




確か女の子が配布スタッフとして2人来るはずだ。
んで僕は彼女らに配布位置ややり方を指示してあとは事務所と確認や物の確保をする。
それが今日の仕事のはずだったよな。







うん。













あきらか僕以外いないよな。













そうだ電話だ。事務所に聞いてみよう。そうだそうだそれがいい。




「あのー。かくかくしかじかなんですけども」
「あー。あのね」















「体調崩して当日キャンセルだって」













「スーパーキャンセルですか?」






「ウルトラキャンセルです」










ウルトラキャンセルじゃあ仕方ないので(納得した)、
こうなったらと一人で物を運び一人で袋に冊子を入れ一人で立ち上がり一人で声を張り上げHが丘の方々を震撼させるのです。求人雑誌ですいかがっすかあぁぁー!!!




そんな僕を不憫に思ったのか応援をよこしてくれた事務所。
おにゃのこ二人を送ってくれました。サンクス。



とはいえディレクターが僕なので効率さえ良ければなんでもよい、
スローガンは「手ぶらで駅に入れると思うな」!!!
行くぜ、おらぁ!  とっとと終わらせて、早く帰るんだッ!(主目的)










たぶん、他の配り屋の誰の声をもかき消していたと思います。
早く帰りたいバイトの根性、なめるでねぇだ!!