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べたべったー。
お葬式の現場でテントを片付けていると、なにやら物陰で声が聞こえてきました。
おやなんだろう遺産の取り合いでギャースカわめいているのかと覗いてみると、
♂「突撃ー。」→♀「ばっちこーい」
Σ(○□○)
合体中でした。
え、ええと…ま、まあ喪服って萌えますよね、そうですよね! 野外とかも燃えるものですし、それもまたありかと! いやー、親戚亡くなったから、今度は増やそうっていう魂胆とかマジ最高ですものね!
えへへ! じゃ、じゃあ!
やばい。むくり。
「故 斉藤 友康 葬儀」
やばい。へにゃり。
まあそんなわけで、トラックに乗ってえんやこらと備品を事務所に返しにいったわけです。
看板だとか、重しだとか。テントだとか紐だとかをあるべき場所に戻していく過程でゴミ箱からおじいさんが出てきて息が止まりそうになりましたギャアアアアア!!!
なに、蘇生…ッ!?
「ああ、今ちょっと掃除してたんじゃよ。ここにしまえ」あ、はい……。
ゴミ箱からおじいさんというちょっとキッチュな童話が始まるのかと思ったのですが、
要するにこの倉庫の管理人さんだったのですね。うん、安心。
彼曰く、時間までは事務所で軽い手伝いしながらまったりしていきんしゃいということでお言葉に甘えてみる。
「外は暑かっただろう。エアコンつけとくから、涼しんでおいで」
意外にいい人です。うーん、世間話とかしながら時間をすごすのは悪くないかな、と椅子に座っていたのですが。
なんかあんまり涼しくならない。
ん、なんでだ。確かにエアコンは19度に設定してあって、おじいちゃんは遠くで快適そうだけど。
ドアも閉めてるし、おかしいとこは何も見当たらないのだけど……。
「おお、そうだ」おじいさんはふと思い出したかのように言います。
「そのエアコン、19度だけど暖房だから。自分で設定変えておくれな」
エアコンつけたのが半年振りなのか、僕のこと嫌いなのかの2択です。