isigami2005-07-08




なに仙人だろ。






今日は店番なのでさぁ開店の準備をするぞ、と意気込んでいたら
隣の古本屋のオジサンが顔を出してきました。「おぉぃ、調子はどうだい」
このオジサンはもうそろそろオジイサンといっても過言ではない年なのですが、
腕はたくましく、ヒゲもワイルドで、まさしく「職人!」といった感じの男性なのです。
うちは雑貨屋なので顧客は女性が多く、さすがの僕も慣れてきているので調子はぼちぼち、といった感じなのですが、なんと答えたらいいやら。というのも、彼の古本屋は年中閑古鳥が鳴いているのです。かっこー。


「あいや、まぁまぁですかね……。そういや本、出しっぱなしですけど、今日雨降るかもしれないらしいっすよ?」「なに」


彼は少しびっくりしたようでしたが、すぐに笑い出しました。


「ハッハッハ。うちの本は濡れてもいいもんだばっかだからね、だいじょうぶだよ、別に」
そんな本売ってるのか。
「それに雨なんて恐るるに足らず。降ったところで本にかかることはないからね」
「へえ。そりゃまたどうして」
「昔から言うだろう、仙人は雨食って暮らしてると」
霞だよ。雨食うとかとんでもねえ質量じゃねえか。
「そういうわけで店は安泰だよ。ハッハッハ!」




雨を食うとか、霞を食うとかは置いといて、
「仙人」という部分はなんか納得してしまいました。Ah Hah.