心まで綺麗に。





ダスキンでバイトしてきました。
やはり夏前ですから、エアコンのお掃除依頼がやたら多いとのこと。
僕は主任の指示にしたがってアレやってコレやって、といわれるままロボットなのですけども、
掃除というのは実に、実に好きなので喜んで労働に勤しんでいたわけです。


僕が屋外で放水しつつ狂喜乱舞しながらフィルターを掃除していると、
なにやら遠くから怒号が飛んできました。
「……んっだのやろ……にてぇのか……っころすぞッ……!!!」
この辺は製紙工場やら製本工場がやたら隣接しまくってる住宅街なので、
なんだアレか、ベテランが若造にどなっているのかなあ、と思って作業を続けていたわけです。
「…っだオラァ……コノヤロー〜って言ってんだコノヤロー」
知性のかけらもないただ繰り返しの大声が僕は気になって気になって仕方ありません。
声はひたすらヒートアップしていくので、熱気も手伝って暑苦しいことこの上ないのです。


どうやら近所のおばさん方も怖がっている様子。
僕、いわゆるマダムキラーの異名を持つ爽やかダスキン仕事人(アマチュア)はちょっと一体どういう状況なのか、と見に行ってみることにしました。主任、ちょっとだけ離れますからね。いい子でエアコンに水噴射しててね!


痛い。


で、てってこてってこ行ってみたら、なにやら40歳くらいの汚らしい男がしゃがみこんでいて、
なんと電話に向かって叫び続けているのです。しかも定期的に10円入れて。(カワイイ…!)
自分の会社なのか、よその会社なのか。はたまた家か、友達か。
なんか酔っているようにも見え、危ないやつだなあ関わりたくないなぁと思っていたのですが、
しばらく見ていると近くでヒソヒソ話をしていたおばさんたちに絡んでいったではありませんか!
おばさんのピンチだ! なんとかしなきゃ!
とか手をこまねいていると、「ほら、危ないだろ。そこまでにしとけよ、おじさん」と、
25歳くらいのサラリーマンがおじさんを後ろ手に固めたのです! スゲェ!
少しすると警官がかけつけてきておじさんを取り押さえ、事件は無事解決。おばさんたちは色めきだって「住所教えてくださる?」「いえ、名乗るほどの者じゃありませんから……!」








で、電話男……ッ!?