isigami2005-06-19





ほとんど写ってないじゃん。






今日は名実ともに父の日なのですが、皆さんはちゃんとお父さんに日ごろの感謝の気持ちを親の仇みたいにぶつけてきましたか?
なんのかんの言って、親というのは何の得もないのに金と時間を割いて僕たちを育ててくれた人間なのです。感謝こそすれ憎悪をぶつけるなどというのは言語道断なのです。誕生日プレゼントにPSPと言ってゲームギアを買ってきた某お父さんは僕的に最高お父さんだと思っています。



うちの父は何度も言うように別居中(つーか離婚)なのですが隣の駅に住んでいるので自転車にしておよそ7分。
今回はクールビズだのなんだのでギャースカうるさいネクタイなどといったひねりの欠片もないモノはやめにして僕の特製シューマイを作っていきました。
僕のシューマイを食べさせられたひとはわかると思うのですが、味はともかく見た目の悪さといったら目を覆うほどなのです。だけどもすこぶる評判のあの伝説の味。
その伝説の味は今回調子こいて「ヘヘッ、今回はイカのだしを入れて驚かせてやるぜ!」と盛大にぶちまけたらなんか汁っぽいへんなタネが出来上がってしまいました。こんなのシューマイじゃない。
いざ花シューマイとして皮を巻いていこうと思ったらそのイカのだしが漏れて蒸してもないのにべっしょんべっしょんと水分過多な様子をさらけ出し、全てを包み終わったあとに皿を見たときの感想が「うわ、ゾンビ…」だったのですが食べさせる本人が別居していて本当によかったです。



父は料理とバンドが趣味でして、今回はムール貝のスープと、ベーコンと葉の燻製サラダ。特製キノコパスタにバゲッドというイタリアンな飯を用意してくれました。それに対抗するは僕のゾンビシューマイ。
ビールとチューハイとワインをちびちびしタバコをふかしつつ経済の話とか就職だとか家族の話だとかを延々と4時間していたのですが、BGMは彼のバンドの録画DVDでした。



春に録画した映像なのですが、彼の母校である学習院大学での野外ライブ。
つってもボサノバなので派手ではないのですが、父のパートはベース。
父の親友がギター、後輩がドラム、キーボードと分かれて、先輩がサックスなのです。
ただし音響機材の担当が現役学生(現軽音部)なので扱いがへたくそ。野外なのもあって音が割れまくっているのです。ミキサー扱いちゃんとしてるのか。


「いやー、これ大変だったよ。外だから音も飛んじゃうし」
父が愚痴をこぼすと、映像では楽譜が風ではじき飛ばされました。それにオタオタするサックスの人。
駆けつけて楽譜を設置する奥さんらしき人。また風で飛んだ楽譜が顔に当たって悲鳴をあげるギター。割れ続ける音。遠くから轟く野球部の怒号。




「グダグダだね」
「……ああ」






しかもオタオタしたサックスの人のせいで父の顔が見事に隠れまくっていました。
もし彼が行方不明の人間だとしたら証拠にもならない映像だなあ、と思いました。