ヘラッシェー。






阿佐ヶ谷にある流行っていないほうの商店街。
その奥の奥にてこてこと歩いていくと、僕の母が経営している雑貨屋があります。
店長こそが当然有限会社社長の母なのですが、その社長とか店長とかいう母は商品リサーチのためにいないので、6月10日の午前10時から14時までカウンターに座っているのは長男の僕なのです。イコール、使えないほうの店員。(弟は、若干使える店員。)


レジなんか打たせようとするならボタンひとつで簡単爆発、お店もお客も木っ端微塵ナリー! なんつってー!^^



「早くして頂戴」
ははははい、ただいまー!(;□;)





とかそういう流れはいい加減飽きたのでね、友達を巻き込んでみたわけです。
彼女は本屋でバイトしている人間なのでレジ打ちなんざ得意中の得意、接客もできるし全部任せちゃおうかな! あとは、オネガーイ!
「じゃあいろいろ手伝う代わりにいろいろ持って帰る」
やめてけろそれはウチの目玉商品……ッ!




つっても、そうそう客なんか来るはずもなく。
僕はレジに、彼女はバックの椅子に座ってずーっと談笑していたわけです。
雑貨の話とか就活の話とかしてたんですが、
「そういやさ」
「ん?」
「あたし三国志はじめたんだけど」
「(何言い始めんだこの女!?)…ふ、ふーん。どう、面白いの?」
「面白いよ。これがあたしのデッキ」
「へえー、どれどれ」
「やってみようよ」
「うん、なるほど……え?」
「やってみなよ」