isigami2005-03-25




正直言うと、ちょっと泣いた。





バイトで本郷三丁目にいってきました。
春風に吹かれ目の前にそびえるは赤門。
そう、ここは日本最高学府「東京大学」なのです。



「T京大学」って言うと別の大学とも取れていい感じだと思います。



今日はどうやら卒業式の日らしく、振袖姿の女性や、マントを羽織り帽子を被った男性などが笑みを満面に浮かべて写真撮影に勤しんでいます。
あのマントの変さ加減は仕様ですからどうしようもないのでしょうね。
さて、僕はというと待ち時間のトラックの中で日なたに照らされながらうとうとしていました。



講堂の前に集まるは、
教え子や仲間に胴上げされて喜ぶ教授たち。
最高の笑みを浮かべてカメラの前でピースする若者たち。
それを誇らしげに見守る親御さんたち。


きっと卒業していく彼らには輝く未来が見えているのでしょう。
先にある不安も、今の勢いなら吹き飛ばしていける。
そんなパワーが、彼らから感じられました。




僕はうたたねをしながら、もう一度大学生活をやり直せたらなあ、なんて考えていました。
アンテナが異常に成長した今年、今の感覚で大学生活を一から始めたら、もっと楽しい毎日があったかもしれない。
金も使い方も違って、いろいろな趣味が見つけられていたかもしれない。
そう思うとなんか寂しくなり、また自分の情けないところを見てしまって自己嫌悪してしまいます。


まてまて。
今までの自分があるからこそ、今の自分があるんじゃないか。
あの経験があって今が形成されてるんだから、それでいいじゃない。


んーでも、やっぱり今の自分が予備校生だったらきっと、もっと全然違う生活してただろうし、
刺激的な毎日があったと思う。ジムにも通ってただろうし、ダンスや音楽もやってたかもしれない。
そう考えると、やっぱりもったいないよ。


だから?
じゃあ、やり直せるの?


…ダメだね。だから今寂しかったりするわけで。


だったら今そう悪い意味で過去を振り返るのは意味ないことだよ。
せっかく決めた「ちゃんと前を見て歩く」ことに、矛盾してるじゃない。


そうなんだよなぁ。でもなぁ…


だったらまずは目の前のことだよ。ないものねだりをするんだったら、
それだけの努力をするべきだ。


だよなぁ…ま、僕は僕で幸せになる方法を見つければいいわけで。
羨ましいけど、それはしょうがない。


ん、じゃあとりあえずはトラックの荷物を降ろそうか。それが仕事だ。


ぼちぼちやりますか。











春がやってくると、なにか新しいことが起こりそうでワクワクしてきます。
でも、そのぶんなにかが終わっているのです。
前はきちんと見なきゃ道を歩くことは出来ません。
でも、たまには後ろを振り返ることも大事です。





来年の春、僕はなにをどう思って桜を眺めているのでしょう。