ドラムマニアV

僕の近所にはシネコンがあるんですが、
そこにはツタヤとゲームセンターが入っているのです。
CDやDVDを返しにいくときは、決まってそのゲーセンに入ってしまうのが僕の悲しい性であるのですけれども、
最近ハマっているのはドラムマニアVなのです。


人気シリーズドラムマニアも、ついにシリーズ11作目? くらい?
ギターとの連動と動いてきたこのゲームも、ついに名称をそろえて登場と相成りました。
その名も、「ドラムマニア V」。
もはや基本となったカードシステムはもとより、ポイントによるギタドタワー、店舗ごとのチーム戦などもあるというから面白い。
問題は、僕がそのギタドタワーとかチーム戦とかの概念をあまり理解してないことです。



で、近作には3ステージぶんの長さを持つ曲がロングバージョンとして収録されているのですが、
その中でひときわ目をひいたのが「K」。
人気バンド「BUNP OF CHICKIN」の名曲です。
僕もこの曲は好きなので、さっそくやってみることにしました。

THE LIVING DEAD

THE LIVING DEAD

これに入ってるよ。

バンプの歌詞はまるで詩や物語のようになっていて、この「K」はとある黒猫の話。





孤独に生まれ、ひとりで生きてきた黒猫。


そんな黒猫に共感し、共に生きようとしてくれた若い絵描き。


最初は反発した黒猫ですが、しだいに打ち解け、いつしか彼らは親友となっていました。


絵描きは猫に「ホーリーナイト」と名づけ、そんな彼に猫は甘え、お互いの穴を埋めるような生活が続いたのです。


が、2年後。


絵描きはあまりの貧しさに倒れてしまいました。


息も絶え絶えになった絵描きは、黒猫に一通の手紙を託します。


これを僕の恋人に渡してくれ。夢ばかり見て飛び出してしまった、僕の帰りを待つ恋人に。


そういうと彼は冷たくなっていきました。


売れる絵をかけば生活は出来たかもしれない、それでもアンタは不吉なおれの絵ばかりを描いた。


こんなおれを、描いてくれた。


だからアンタは、倒れてしまった。


わかった。この手紙は、絶対にわたしてやる。このおれが、絶対にわたしてやる。


その日から黒猫の旅は始まったのです。


不吉な黒猫が通る道すじ、オトナはもちろん子どもも猫に石を投げます。


降りかかるのはただひらすら、罵声と暴力。


心身ともにボロボロになりつつも、猫は立ち上がり手紙をくわえて走り出します。


毛並みはくずれ、手足はズタズタ。それでも、猫は立ち上がります。


あいつはおれを、温かく包んでくれた。


ホーリーナイト。聖なる夜と、呼んでくれた。


負けるものか。あいつのつけてくれたこの立派な名にかけて。


おれは、聖なる騎士、ホーリーナイトだ!


どれほど経ったでしょうか。猫は、ついに恋人の住む村につくことができました。


親友の故郷…見つけた…あの家だ…


恋人は、猫のくわえていた手紙を手に取り、


そして、動かなくなった小さな騎士を、庭に埋めてやったのです。


とあるアルファベットとともに。











初めてこの歌を聴いたときは涙が止まらなかったものです。




あなたは、自分に名前に誇りを持っていますか?






















絵描きも、猫に「キャイーン」ってつけてたら物語は分岐を迎えていたかもしれませんね。
おそらくはバッドエンド系の。