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あ、ありかな…?
レトくんに誘われて、やってきたのは麹町。
一体なんじゃろ何が始まるんじゃろうともじもじしながらカフェオレを飲んでいると、
見えるは長ーい列。なんかの会社のようだけど…
「日テレ」
うわっ! テレビ局だ!
というわけで本日、キングコングと青木さやかが司会をつとめる深夜番組「音楽戦士 ミュージックファイター」の観客として、僕とレトくんはやってきたのでした。
レトくんの友達で日テレスタッフがいて、その彼曰くどうやら観客が少ないから連れてきてくれ、とのこと。
僕が声かけられたのもそういった意味で、きゃいきゃい笑ったりするのが仕事らしいです。
だけど、なんだか男ばっかりだぞ……?
「はい、どーも皆さんよく集まってくださいました! 本番はあと30分ほどで始まるんですけど、ちょっと僕たちスタッフと一緒に少しだけ練習しましょうか!」
お、拍手の練習とかかな。よーし、やるぞう。
「えーとですね、皆さんはこの番組にこんなに大勢集まってもらったわけなんですけども」
うんうん。
「今日はのゲストはあの、小倉優子さんなんですよ」
へえー。ゆうこりんじゃん。ふむふむ。
「でですね」
うん。
「皆さんは今日、小倉優子さんの熱狂的ファンということになってます!」
( Д) °°
「なってます!」
じゃなくて。
えーとつまり、この50人の男という世の中でも極めて特殊なカテゴリーに属するこのグループってのは、
「ゆうこりんファン☆v♪」50名様という位置づけになってるとゆーわけ?
「なるべくアキバ系を演じてくださいねー!」
エヘへ、任せてー我輩ってばそーゆーの素でオーケーな人だからー。
じゃなくて。
違うから。我輩とかじゃないから。ハチマキとか巻いてないし、タスキもかけてないから。
「あ、ウチワ似合うじゃないすか。ウケるー♪」
ウケないから。
ね、まぁそんなわけで拍手の練習だとか、トーク中の爆笑だとか、そのへんを練習したわけです。
青木さやかが出てきたら、やることなすこと全てをブーイングしろとかね。
ゆうこりんが出てきたら、やることなすこと全てをワッショイしろとかね。
ノリのいいことは好きですし、僕的にもだんだんとテンションは上がっていったのでした。
さぁばっちこい! 死ぬ気でゆうこりんを応援してやるぜ!
西野「さぁ入っていただきましょう、本日のゲスト、小倉優子さんでーす!」
小倉「どーもー♪」
『ウォォォォォォォォォォォォォ!!!!!』
『カワイィィィ―――――ッッ!!!!』
『ヒュゥイッ! ヒュウィッ!』
『ゆうこり――――――――――――――――――ん!!!!!!!!!!!!!!』
新しい自分、見つけた…ッ!!