過去は過去。でも、大切な時間はずっと大事にとっておくよ。






3年生の講義も今日を含めてあと3日で終わりです。
僕はなんだかんだ言って単位をちゃんと取っているので、今期を落とさなければ来年は講義を受ける必要がありません。
卒論すらもないものですから、気楽にも程があります。


だからこそ少し寂しく思ったりもするわけで、この大学3年間というもの、実にあっという間でした。
サークルしかり、学外サークルしかり、バイトしかり、お家騒動しかり。
大学が思った以上につまらなくてウツになったこともあります。人見知りが激しくて悩んだことも多々あります。だからこそ努力しなければと、がむしゃらに頑張ったこともあります。
恋人や友人とさまざまな経験をしましたから、決してこの大学生活は無駄なものではありませんでした。だからこそ、今までという時間がまた戻ってきてくれればなと、心底思うのです。
どんなにお金をかけても帰ってこないのが時間。命をかけても戻ってこないのが時間。
今というこの瞬間も、まさしく刹那単位で動いています。僕の人生も、刻一刻と進んでいるのです。
何度も思うのです。「今の僕のまま大学に入学できればいいのに」
拙いながらも考え方もしっかりしてきました。時間の使い方を知りました。愛するものが出来れば死ぬ気でなんでも出来ることも知りました。自分の成長の仕方もわかってきました。今自分に足りないこともわかってきました。
だからこそ、今の僕が大学に入れば、もっともっと素敵な体験ができる気がするのです。



でも、それは「大学で3年過ごした」からこそ出来上がった自分。
その19歳の僕は二度と帰ってこないのです。



それが僕にはひどく寂しくて、悲しくて。
もう大人になんかなりたくない。一生気楽な学生でいたい。
いっそ留年しようかしら。そうすれば1年は楽に過ごせるのだから。
きっと楽しく遊んでいられるだろう。友人も出来るだろうし、知識も増えるだろう。
もう時間なんて止まってしまえばいいのに。







いや。






うつむくのはもうやめたはずだ。
10年前のいじめられていた僕に、叱咤した俺。
逃げることはもうしないと、決めたあの日。
鼻水たらして、涙に汚れて、血でぐしゃぐしゃになっても立ち上がると決めたあの頃。
ケンカをしようと、盗みをしようと、それは全て自分の決めたこと。
それは確実に、僕の人生。
その人生に、ウソはつかない。


逃げなかったはずだ。部の先輩にめちゃくちゃに言われて、お前なんか消えてしまえと言われたときも。
逃げなかったはずだ。ケンカで血まみれになって鼻を折って、サンシャイン通りを騒ぎに変えたときも。
逃げなかったはずだ。億単位の借金を言い渡されて、汚い大人たちに口先三寸で騙されそうになったときも。



立ち止まるのはもうなしだ。
終わった過去は終わった過去。これから僕が挑むのは、まだ触ったことのない、体温の伝わっていない冷たい未来。
冷たい空気に触れていこう。居心地のいい部屋から抜け出して。



大学生活は、もう終わる。それはどうあがいても帰ってこない。
ならば、その後の人生をどう楽しく生きるかを考えることが大事なんだ。



もう後ろは見ないぞ。前だけを向いて生きていこう。










そんなことを考えている間に試験は残り2分に突入していました。
シリアスぶるのも時と状況を考えろと過去の自分全員に言いたいです。