貫通式って言葉をエロいというのはいい加減にしてくれないか。




近所でバイトがあったので行ってきました。清水石産土木という業者さんであります。
その名のごとく土木屋さんなので、一般宅の取り壊しというお仕事なのでした。
これまた立派な日本住宅で、庭つき塀つき一戸建てという夢のホーム。
そこの灯油ポンプとプレハブ小屋をぶっ壊すのが今日の目的なのです。


「いやー、しかしいい家だよなぁ」


小谷さんが頭に巻いたタオルを外しながらそういいます。僕はもらったコーヒーをすすりつつ、「そうっすねぇ」と相槌をうちながら、柿のなった木を見つめてよだれを垂らしていました。うわーすげえうまそうだよ。やっぱ秋は柿だよね。丁度いい大きさでなんともたまらんですなあ。
とか、本当によだれ垂らしそうになったあたりで突然強襲者はやってきたのです。


「いやー、本当にいい家だ」


いい加減しつこいよお前、とか思ってたところですかね。
お客さんに出してもらったおせんべえをポリポリしてたら、天空から鳩が舞い降りてきたんです。
クルックー?
この鳩ときたら、人間(特にケモノ方面な外見)が数人取り囲んでいるというのに能天気にせんべえつまんでるんです。おまけに腕乗ったり手に乗ったり。相当人慣れしてるんでしょうね。


「タバコの灰食うかな」


本当に最低だあんたら。


まぁ僕としても、頭の中で勝手に「サブレ」とか名前つけたりして可愛がってたんですが、本当に灰までついばみ始めたところで突然可愛くなくなりました。
しかし、本当に恐ろしいのはこれからだったのです……(CM後に続くよ!



(CM)



しかし、本当に恐ろしいのはこれからだったのです……(CM後だからリピート
僕がエアードリルでブロックの屋根をぶっ壊してたころですかね。ホントにチュイーンドガガガガガガガぼろぼろぼろ、といった風体でいかにも土木屋な雰囲気で仕事をしていたら、休憩が終わるやいなやどっかに飛んでいったサブレが突然肩に止まってきたのです! いたたたたたいたいいたい! 足の爪痛い!
「クルックー?」
クルックーじゃねえよ! 痛いの! こらサブレいい子だから遠くいってなさい! あとでおせんべいあげるから!


「え、これ君の鳩?」


違えよバカ! 名前呼んだからって所有鳩にするなゴリラ!
とかはさすがに言えませんよねチクショウ! あたたたた! とにかく痛い痛い!
肩はともかく首とかありえない! か、髪ついばまないでー!!




鳩から見たら僕は何に見えたんでしょうね。
背が低いから豆に見えた、とか思ったお前。八つ裂きにしてやるムキー。