ワン・ツー・ジャンゴ!




僕の知り合いのつてを使って、イベントプロデュース会社「みなみかぜ」の現場を見学させてもらうことになりました。
先日の石本さんの紹介をつたって、今日は南船橋ららぽーとで開かれる「年末年始! 商戦決起パーティ」、そこで行われるイリュージョンショーのプロデュースというのが今回の仕事なのです。
開始は20時ということで、18時ごろに南船橋に到着した僕。みなみかぜ社員の「ボニー・荻上」さんにお電話をするのですテュルルルル。(ドッピオの声で



「はい、荻上です」
「あ、どうも石神ですー。今現場付近についたんですけど、どこに向かえばいいですかね」
「そーですねー。仕事前にちょっと見てくところがあるんで、円形広場まで着てもらえますか?」



円形広場というのは、ららぽーとという巨大なショッピングセンターの中央に位置する主にイベントなどを行う広場。さまざまな催しが開かれる中、今日は韓国から来た「プ」様とかいうモテモテ野郎のクリスマスツリー点灯式が行われていたのです。
もう広場のみならず、数々の店から這い出してきた女性なんかがキャーとかキャーとかあーとかうーとかカユウマーとか言ってるんですけど、何が言いたいかって結局ゾンビみたいにいっぱいいたってことです。数人くらいなら、撃ってもバレなさそうとか。
で、待ち合わせていると綺麗な女性が走ってくるではないですか。こ、こんにちはー。荻上さんですか?


「いえ、違います(走り去る)」


とかね。まぁつかみは上々ですよね−!
で、合流した荻上さんもまぁお綺麗な方だったんですが、まさかこの大イベントも荻上さんが?
「いや、これが単にあたしが見たかっただけ」
わあー付き合わされたよ畜生。で、宴にたけなわという感じで、銀紙とかいう産業廃棄物が空からひらひら降ってきたりしたんで、とりあえず記念にもらっておこうとかがんだら、女子高生にスカート覗いたんじゃないかって顔されました。
違う違う! 見てない! 意外に青だったとか、知らない!



会場に入り、楽屋入り。今回のイリュージョナーはかっこいいマントに身を包んだ「流星」さん。おともにきれーなおねえさんとキツそうなマネージャーのおねえさんを従えての登場です。とりあえず僕も見習いということで、今日はお手伝いすることになりました。
僕は完全に部外者なので、夕飯は吉野家で済まそうかなあ、牛鉄鍋膳決定コースかなあ、なんて思っていたら荻上さんが「あ、お弁当追加でお願いします」なんて。うわーいいんですか。こんなホテルの高級懐石弁当。
で、もくもく食っていたら同じみなみかぜの福島さんや高橋さんと今日の段取りを話しあうことに。流星さんが手品をやる合間、そでで道具の入れ替えをしたり、パーティションの設置をしたりが僕の役割だそうです。なるほどー。


ホントは照明や音響、セッティングまでがみなみかぜの仕事なんですが、当然イレギュラーで力仕事なんかもあったりするわけです。僕はそのへんうってつけっていうか、正直邪魔にならないように仕事しててくれ、みたいな。
で、いよいよイリュージョンショーは始まったのです。合間に僕と福島さんはそでで待機。荻上さんは慣れない照明を担当といった感じです。高橋さんはどっか食べにいっちゃいました。
僕の設営や撤去はバイトでやってきたので、なんとなく手順はわかるのです。それなりに役に立ったようで、こちらとしては満足してたんですが……


イベント中、トラブルがありました。
っていうか、女性パフォーマーさんの衣装の背中のホックが閉まりにくいという事態です。
ショーはすでに始まっていて、イケメン流星さんのトークを交えたイリュージョンにはお客も感嘆の声を上げていたのですが、時間を押すこのときにまさかのハプニング。




「ねぇ……ホック……ハメて…………v」




キャー! ここここれは大変な事態! ハプニング! (僕視点です)
ベテラン福島さんを差し置いて僕を選んだのは、まぁたぶん見た目の問題だろうなあ。(福島さんは何故か当日すっげぇ汚れていました)
僕というもの、もともと今日はホテルの現場入りで珍しいものばかり、既に緊張で汗ばんでいたのですが、まさか美人のおねえさんの生背中を失礼することになるとは! アチャー! しかもハメてって! アチャー!


とか妄想すること0.6秒。
とっととホックハメて「はい、OKですよ」って普通に言っておしまい。まあ生肌には触ったけど、むしろこっちの汗ばんだ手が恥ずかしいくらいで、あとはまったく問題なし。
そんなこんなでイベントは無事終了したのでした。ホテルのイベントって、豪華絢爛。



ところで終了してからトイレにいったんですが、エレベーターになにやら人だかり。スーツ姿の人も多いけど、なんだか女性も多いぞ。なんだろう……? と見てみると、なんか背の高いイケメンが立ってやがるぞ。なんだこいつ。
と、背の低い僕はスーツどもが道を作るなか、何を勘違いしたかエレベーターの前を堂々と歩いていたのですが、通り過ぎる際にちょっとだけガン飛ばしたり。
ロックTシャツにネックレス、暗めのパンツにチェーンをつけた大学生にガンつけられた背の高いイケメンは、怪訝な顔をすると周りのスーツどもを従えて去っていきました。
なんだあいつ。まぁいいや。うんこうんこ。みたいな僕です。




アレがまさか韓国スター「プ」様だと知ったのは、楽屋に戻ってウーロン茶を飲みつつ、雑談が「そーいや韓国スターが隣で取材やってみるみたいね」と荻上さんが切り出したときでした。うんこうんこって何言ってんだ俺!!




怒られるかなと思って経緯を話したんですが、「あ、そうなんだ。よかったじゃない生プ様見れて」よかったのだろーか。



撤収と終えたのが終電だったのですが、家の方向が同じということで荻上さんと一緒に帰ることになりました。車内ではずっと雑談。
しかし、イベントプロデュースっていうのも面白そうですよね。興味を持って体験してみましたが、お客の楽しんでいる顔が好きなのは僕もそうですし、これははっきり言ってやりがいあるかも! 
と、荻上さん。



「ウチ、新卒は取ってないんだ」



まあ仕事が仕事ですしね! チクショウ!