カードのチョイス


上に記したように、ハーフでは入れられるカードが自然に狭められてくる。よって,メインとなるポケモンのカードを1匹選んだら、それに合わせるカタチで構築をしていく必要がでてくるのだ。
例えばマルノーム。一番の特徴として3コスで放てる「まるのみ」という技を持っている。これは自分のHPより相手のHPが低かったならば、50Dに加え30Dを与えることができる技で、つまりもともとHPが80(低気圧で90)である彼が丸呑みを放てば、(相手が鋼を貼っていたり防御系能力を発動していない限り)一撃で倒すことができるのだ。マルノームをメインと考える場合、このまるのみを活かす構築をする必要が出てくるのである。
マルノームの持つもう一つの技、「どわすれ」。これは相手の手を止めてしまう優秀な技であるばかりでなく、10Dを与えてしまうため相対的にアドバンテージがこちらに向いてくるという丸呑みと非常に相性のいい技である。技を一つしか持っていないポケモンの場合、度忘れを連発されるだけで動けなくなってしまい、ゆくゆくは丸呑みの射程内に入り、呑まれてサヨウナラという切ない事態になりかねない。これがマルノームの基本戦法だ。
丸呑みを活かす場合、こういった条件が必要になってくる。
・丸呑みを使う前にダメージ調整を行える能力
・自然に相手のHPが減っていく能力
こういったサポートがあれば丸呑みは円滑に行える。では早速そういった相性のいい能力を見てみよう。

  1. ノクタス(ADV2)

たねポケモンであるサボネア時代から、「とげとげどく」というポケボディを持っている。これはダメージを与えたポケモンに対して状態異常毒をお見舞いするものであるが、たとえばこういう状況はどうだろう。

こちらのHP10のサボネア、相手の攻撃でダウン。とげとげどくで相手を毒にし、こちらはマルノームをバトル場に出した。相手は毒でHPが60になった。

たーんと召し上がれ。

毒のおかげで丸呑みの射程内に入ったわけである。めでたい。また、とげとげどくだけなくノクタスの技「だましうち」も、相性がいい技なのである。
普通、技はバトル場のポケモンのみにかけられるものだが、だましうちは相手のベンチすら攻撃できる便利な技。あらかじめだましうちでHPの高い相手を削っておけば、丸呑み射程の70ないし80に滞りなく到達できるわけである。
そんなわけでサボネアノクタスの進化ラインは「マルノームと相性がいい」と言える。

2、ウツボット(PCG1)
ポケボディ「アシッドサンプラー」はバトル場にいる限り、相手のHPを毒と同じように削っていく能力。要するに技を使わなくてもHPを削ることができるわけで、ベンチで悠々とマルノームを育てることができるのである。
また、ノクタスもそうだが単純に「同じ草ポケモン」であることもポイントが高い。加えて弱点が炎でマルノームと被っていないこと、これはハーフ構築において重要なことである。
これもまた、マルノームと相性がいいと言える。

3、クロバットex(PCG2)
ポケパワー「かいおんぱ」は、相手のポケモン1匹にダメージカウンターを一個載せる能力。これの最大の特徴は「自分のターンの中でダメージカウンターを載せられる」という点で、また逃げるコストがないというのもクロバットシリーズの特徴である。
怪音波で相手のHPを70以下まで減らしたら逃げて交代。マルノームで丸呑み、といった展開もできるあたりフットワークも軽い。マルノームのたねポケモンゴクリンは状態異常技を使えるので、技「ついげき」とも相性が悪くないのが追加点。これも、マルノームと相性のいいポケモンだろう。


こういったようにお互いがお互いの特徴を助け合うコンセプトを選ぶ必要が、スタンダード以上に求められるハーフデッキ。流行デッキのほかにもじっとカードを見続ければひょんなことからコンボは生まれるので、研究は怠らないほうが非常によろしい。