いよいよ構築


ポケモンカードVSシリーズより始まったハーフデッキだが、現在は1進化ポケモン+2進化ポケモン、もしくは1進化ポケモンが2ラインといったカタチが主流である。例外として強力なたねポケモン(例えばレックウザex)を使った軽いデッキもあるが、それは今回除外して考えていく。
ポケモンカードの基本構築として、3種のカード――即ちポケモンのカード、トレーナーカード、エネルギーカードはそれぞれ33%で組まれるのがおおまかな基本である。
ハーフデッキの場合はつまり10:10:10。もちろん構築の腕次第で如何様に変わるのは了承していただきたい。
で、先ほど述べた「2進化+1進化」デッキの場合。入れられる同じカードは2枚までなので、2枚・2枚・2枚という2進化セットと、2枚・2枚という1進化セットが積み込まれる。「60枚デッキではたねポケモンは多めに、進化は少し少ないけど、どうして?」という質問をよく聞くが、これは最初の「60枚と30枚の違い」に起因する。
ポケモンカードでは「サイドカード」を配置するが、仮に同じポケモンのカードを1枚しか入れてなかった場合、サイドに落ちてしまったカードをどう回収するか。そのカードが主力の殴りカードだった場合どうするのか。
また、ポケモンカードでは1回の対戦につき「1枚だけ使えないカード」が存在する。そう、サイドカード最後の1枚だ。これを取るということは即ち勝利であり、つまり対戦中はそのカードを使うことができないのである。
この使えないカードが主力のカードだった場合、どうやってバトルを展開していくのか。こういった問題のために、また単純に主力を2体展開できるようにするために同じカードは2枚積み込むのである。

ポケモンのカードは 2:2:2と2:2 と決まったことにしよう。
次に、トレーナーカードである。

トレーナーカードにはサポーターという種類がある。これは1ターンに1回しか使えないが、強力な効果をもつトレーナーという位置づけで、主に山札からカードを追加ドローするために存在する。ポケモンを育てるという環境上、なるべく早く展開したいもの。サポーターは少なからず必要になってくるはずである。
かといってトレーナー10枚のうち全部をサポーターにしてしまうと、1ターンに1回しか使えないという制限上手札に余ってしまうだろうし、それ以前に使いすぎると山札を引きすぎて負けてしまう。
ハーフではサポーターで引けるカードはせいぜい12,3枚程度におさめておかないとバランスが悪いので、ドロー系サポーターは多くて6枚、5枚程度にしておこう。ここでは5枚として話を進める。
次に非サポーターのトレーナーカード。まずは対戦では不可欠な「入れ替え系」カード。これは何故不可欠かというと、こういった利点があるからである。
・エネルギー1枚が大事なハーフでは、トラッシュせずにベンチ入れ替えができるのは便利であるから
・特殊状態などの異常状態から確実に抜け出せる手段であるから
とくに後者は重要で、たとえ大事なターンにマヒにされても、「ポケモンいれかえ(交代)→出てきたポケモンが逃げる(交代)」とすれば、簡易的な「なんでもなおし」と同じ効果を得ることができるのである。また、さきほどのマルノーム度忘れなどの効果も打ち消せるので、オススメである。
これも先ほどと同じ理由で2枚入れるとする。「ポケモンいれかえ」か「ワープポイント」かは好み、またはデッキの性質によって変わってくるので吟味が必要である。
これで2枚。あと3枚。
ADV2で登場した「ふしぎなアメ」というカードがある。これは進化のルールを超えてたねポケモンが1進化ないし2進化ポケモンに進化できるという強力なカードであり、今は基本となっているカードである。
今考えているデッキは2進化が入っているから、便利であろうから入れてみよう。というわけでこれで2枚。
これで4枚。…と、ここで一つ気になることがある。
ふしぎなアメを2枚入れたということは、2進化ポケモンには1進化と通さずに進化できるということだ。……ということは、2進化ラインに入っている1進化ポケモンはいらなくなるのか……?
というのは、極論。確かに不要にはなってくるが、先ほどの「保険」の意味も兼ねて1枚は1進化カードを入れておこう。となると、また空き枠が1枚できたわけだ。
トレーナーカード4枚、サポーター5枚、これで9枚。…あとなんか欲しいな。

というわけで、ここは僕自身は「ネタスロット」と呼んでいる。これは別に「冗談」という意味のネタではなく、例えばマルノームは相手を毒にすれば有利に戦えるわけだから、「グラスキューブ」を入れてみよう、などといったサポート程度のカード枠である。確実に相手を狙いたい、そんな場合は「ポケモンリバース」などが入るかもしれないし、ポケモンを引くのを加速したい、そんなときは「マスターボール」が役に立つだろう。
そんなネタカードを2枚入れたら、これでトレーナーカード総数11枚。

最後にエネルギーカードである。基本の色である基本エネルギーは実はあとまわしで、ここでまず考えるのは相性のいい特殊エネルギーカード。進化系統が多く、また無色コストが多いポケモンがいる場合は「ブーストエネルギー*1」が便利である。また、マルノームのように自分のHPが高いと有利なポケモンには「ヒーリングエネルギー*2」だろうし、ランターンのように加速、のち任意エネコントロールができる場合は「Wレインボーエネルギー*3」だろう。このスロットを2枚備えて、初めて基本のエネルギーを入れられるのである。
2色で構成されているデッキの場合、ここはやはり単純に残りスロットの8枚を分割して4:4にすべきだろうが、デッキによって主力はいるだろう。そちらを優先して5:3にしてもいいし、そのへんの具合は実際入れて数回試しながら変えていくのがいい構築になると思われる。

これでポケモンのカードは2:1:2と2:2で9枚。
トレーナーは6:5で11枚。
エネルギーは2:8で10枚。
合計30枚でハーフデッキの完成である。おめでとー。

もちろんこれは単純かつ基本な構築にすぎない。自分で実践を重ね、改良していくうちにこの枠からどんどん離れていくこともあるだろう。
まずは自分で決めた相棒のポケモンを最大限に活かしてあげること。
それを最優先に経験を積んでいくのがポケモンカードプレイヤーとしての上達の近道だ。

ガンガン対戦して、自分のデッキを育成していこう。
ずっと使っていれば、デッキはきっと応えてくれるから。

*1:進化カードにつけることができる。無色3のエネルギーになるが、ターン終了時にトラッシュする

*2:ex以外のカードにつけた場合、つけたときにそのポケモンの状態異常を治し、ダメージカウンターを一個とりのぞく。効果を除けばただの無色1個のエネルギー

*3:ex以外の進化ポケモンにつけることができるカードで、すべての色2個分のエネルギーになる。