プール
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2010/04/09
- メディア: DVD
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「かもめ食堂」や「めがね」でおなじみのキャスト、
小林聡美や加瀬亮、もたいまさこたちが主演のおはなし。
独特の空気感で、ゆったりとした気分にしてくれる映画です。
僕はいつも思うんですが、小林聡美(今回の役名は「京子さん」)が映画に出てくるとき、
いつも生活に密着しているシーンが多いような気がします。
とくにごはんを作るシーン。
ぐつぐつぐつ、とんとんとん、ことことといった音がするだけでも平和な気がするし
少なくとものこの世界においては憎しみや争いといったものとは無縁なんだな、と安心します。
舞台はタイのチェンマイ。
昔突然旅立ってしまった京子を追って卒業旅行という形でゲストハウスにやってきたさよは、
そこで働く菊子、市尾、ビーたちと出会い、またその彼らと楽しく暮らしている母に距離を感じつつも
旅行の6日間に何かを感じて変わっていくのかな、というはなし。
でも、別段ストーリーは大きく動いたりするわけではなくて、
そこにいるひとたちが自分の人生を自分なりに生きているだけ。
さわやかな空気や小鳥のさえずり、水の流れる音がして
働いてごはんを作って食べて、楽しんでいるだけなのです。
なんというのかな、僕もいっしょにそこにいる気がしました。
清潔感あるゲストハウスに、僕もそこで生きているような錯覚。
京子さんの生き方は、京子さんの生き方で、そんな生き方もあるんだなと思うけれども
僕には僕の生き方があるわけだしさよにはさよの、市尾には市尾の生き方があって、
それでもみんないっしょに生きているだけなんだな、と。
好きなことを思ったときにすぐやる母、というのはいささか無責任かもしれません。
けれども、僕は素敵な人間だな、と思いました。すごく魅力的。
結果、さよはどういう想いを持って日本に帰ったのかはわかりません。けれど、
そんなのは知ったこっちゃないのです。
自分なりに、人生を楽しむだけなのです。
こういう映画、僕は大好きです。
評価:☆☆☆☆★