インフォーマント!

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実際にあった90年代のアミノ酸国際カルテル事件を元に作られた作品。
主人公のマーク・ウィテカーも実在の人物。


ADMという企業における上役であった彼が実際に行った内部告発を軸に
話は進んでいくコメディに近い作品なわけなんだけれども、
良く言えばテンポ良いし悪く言えば早くてよくわからん。
なんの話かっていう前情報を持っておけば見やすいと思うけれど、
そのへんをまったく考えず観てしまったものだから開始20分はついてけなかった。



1回観て骨を理解した上で、2回目こそが楽しめる作品だね。



主人公マーク役を演じたマット・デイモンだけど、この人こんな役もできるんだねえ。
いつもかっこいーニヒルな役ばっかかと思ってたら、おちゃめなおっちゃんもやれるとは。
しかもそのコミカルさは本当に親しみが持てる。
本来はマーク自身の多額横領の罪でそれ相応のふてぶてしさ、
なんというか「ワルさ」は出てもよかったのだけれど
飄々とした立ち回りとあくまで「僕は悪くない。…わ、わるくないよね?」みたいな
そんなかわいらしさでリラックスして観ていられるのが良い。
ていうかこの役のために15キロ太ったってんだから、ハリウッド俳優はレベルが違うねえ。
日本の(特に若手の)「俳優」なんてお遊びに見えるわ。





FBIとの協定により活動したり世界的各企業との価格協定を暴露したりとした
実際の動きはさておき、マークその人の人格がまたうまい具合に常識外れなのも面白い。
ちょっと的外れな正義を振りかざすのもその一環だし、そのお間抜けさがまた憎めない。
本当に能力の高い人間てのはこうなるもんなのかねえ。
作中時おり入る彼の頭の中の声なんかも
「あれ、このセリフは心情的に関係なるのかな…」と思わせておいて
なんの関係もないどころかオチすらないことで
彼の思考回路がちょっぴり変だというようにも見れる。





いやはや、久しぶりに何度もじっくり観たい映画に出会った。
実際の企業名(味の素とか)もいくつか出てくる実話なので、
大人が観ないとピンと来ないかもしんないな。



以下予告CM。


評価:☆☆☆☆★