東京ゴッドファーザー

東京ゴッドファーザーズ

東京ゴッドファーザーズ


何度かレンタルショップで見かけてたけど、
イマイチ借りる気にならなかった作品。
同僚に「働きマン」を貸す代わりに「じゃあ、ちょっと感動したの見繕ってあげる」という感じで貸してもらいました。






三人のでこぼこホームレスが、クリスマスの聖夜に捨て子を見つけててんやわんやする、オカマのハルを中心に繰り広げられるドタバタ・ハートフル・ストーリー。
細かい描写やアニメならではの表現で組み立てられているものの、
話そのものはどんでん返しがきちんと仕掛けてあって、観てて飽きない。


登場人物それぞれになにかしらの「足りないもの」があって、
それはどうしても無いものねだりになってしまうのだけど
ただそれを得ることが出来るチャンスが目の前にあれば誰だって黙っちゃいられない。
もちろん結局幻想で終わってしまうことも多々あるわけだけど、
その結果にたどり着くまでの紆余曲折は、思い出として残るわけだよね。


その形こそ各々で違えど、それぞれが欲するものは要するに「愛」。


一人の赤ん坊を巡って、色んな形の愛が交錯するからこそ複雑になり、だから面白い。
ギンが終盤になるにつれ熱くなっていくのなんか見ものですぜ。
その行動すべてに伏線がきちんと張ってあるから、無駄なく笑えるし集中できる。


僕個人としてはラストシーンよりも、
むしろカーチェイスのシーンでぐぐぐっときた。
いいよね、バカでもオヤジでも死に物狂いで向かってくのって。
めちゃくちゃかっこいい。



実にじぃんと来る、いい映画です。
日本の文化という意味でのアニメーションのレベルの高さを思い知らされる一本。