戦場のピアニスト [DVD]

戦場のピアニスト [DVD]

第2次世界大戦前後にあった本当の話が題材の、眉間にシワが寄るシビアな映画。
ストーリーそのものは割愛するけど、もともとユダヤ人が隔離、収容されるまでの描写が実に緻密で、ひどく現実的で、そして残酷的。あまりに陳腐で申し訳ないのだけど、時代と国が違うだけで僕らの生活が一瞬に壊れる可能性があることを再認識した。
実話だから仕方ないけど、実際ピアニストであるということが活きたのがその大尉だかに発見された際のかわしに使われただけ。この映画で本当に見るべきなのは「常に安定することはありえない」ということだと思う。自分たちが悪くなくともちょっとしたきっかけで生活は壊れるし、新しい生活を見つけたところでそれが安住の地がどうかなんて知るすべはないのだから、今こうして日常を送ることに改めて感謝をするべきであると思った。
例えば、本当に例えばだけど家族揃って食卓で楽しく会話している刹那父の頭が消し飛び母の足は千切れ姉の腕が飛び散り日常のありとあらゆるものが破壊された瞬間どう思うかって話。いや別にどう思うかどうかなんてそれぞれだしどう思わなくてもいいんだけど、今の日本だって一歩間違えればすぐ破産するのだから難民として生きるハメだって多いにありうるのだ。
どうでもいいけどあの助けてくれた大尉は救われなかったなぁ。あそこがハッピーエンドでないあたり、生々しくてそこが面白かった。実話を曲げてあれが助かったらさすがにクソ評価してたかもしれないし。