ひと月遅れ。




世間様はゴールデンウィークとかいう黄金伝説に惑わされる時期になっているようですが、
僕にはまったく関係ありません。普段から不規則な生活ですから。



このありがたいゴールデンウィークですが、実はもともととある日本の企業の経営戦略からつけられた名前だということをご存知でしょうか。
昭和の終わりごろ、関西のあるスニーカー会社はひとつの問題を抱えていました。
それは、自分たちの作る商品はどれも他社と比べ著しく強度が低いことです。
履き心地、衝撃吸収力、デザイン、そのどのバランスを取っても最高の水準に達しているはずなのに、他者の同レベルの商品より長く使えない。
こんな問題に、開発陣たちは頭を抱えていました。


そんなある日、社員の一人である安藤さんは、息子さんの運動会に出向くことになりました。
元気に走る男の子たちの様子を見て、安藤さんは息子の活躍に一喜一憂しつつも胸にもやもやとしたものがかかるのを感じます。
「一体うちのスニーカーはどの部分がダメなのだろう……」
ミズノ、アディダス、プーマ、ナイキ……


いいもん使ってやがるな。子どものくせに。


じゃなくて。
安藤さんは障害物競走で4位だった息子に大してのリアクションの難しさに苦悩しつつも、帰路につきました。


半年後、安藤さん考案のとある企画が実現しました。その名も、
「スニーカーフェスティバル」。
ほぼ同じレベルの選手たちに各メーカーの靴を履いてもらって、一週間の過酷な長距離を走らせます。
そして当然のごとく壊れ始めるそれぞれの靴を分析し、各メーカーの長所、短所を発掘するというものです。


コースは大阪、道頓堀〜東京、皇居前。
このレースは各企業の強度アピールの場ともなり、
とある年に選手が車に轢かれるという事故が起きるまでは非常に好評で毎年恒例のイベントとなりました。
最終ゴール地点が皇居ということで、アホらしいことに「ゴール殿週間」、すなわち「ゴールデンウィーク」と呼ばれるようになったのです。
安藤さんの他社への嫉妬が、業界全体のアピールに役立ったのです。まさか本人も、ここまで広がるとは思わなかったでしょうね。
以上が「ゴールデンウィーク」の由来でした。


















嘘です。