超反発マクラ


ふーん、これが話題の低反発マクラの先をゆくって言われる「超反発マクラ」かぁ。
せっかく買ってきたんだし、さっそく寝てみよっと。よいしょ



『触んなや』



え?



『触んなっつてんねや』



え、声……って、マクラがしゃべってんのか、コレ?



『当たり前や。おどれごときにくっさい頭乗っけてほしくないねん』



うっわームカつくなぁなにこのマクラ。
もういいや、どうせ手も足も出ないだから強引に寝ちまえ。よいしょ



『触んなっつってんねや!!!!』



うわいった!!! いた痛痛。
なにこれ、頭乗っけた瞬間トゲとか一斉で出てきたよ。しかも局部的に。
あー血とか出てるよ! 頭皮から血が出てますよ!



『おれに無許可で頭乗っけるからこうなるねん。おどれみたいな若造におれに乗れる思うなよ』



んなこと言われても、お前マクラじゃん。



『マクラ言うなや!!!』



そこはキレるとこじゃないと思うけど、ええとごめんなさい。



『もうお前のそんなフケっぽい頭なんか見たくもないわ! 帰れ! ハウス!』



ここ俺のうちなんだけどなぁ。



『うるせぇよこの青汁クソメガネ! 理屈ばっかこねてねぇでかかってこんかいモヤシ野郎ー』



よくわかんないけどムカつくマクラだな。
ちょっと殴ってやる。このやろ。このやろ。



『あぁ痛い痛いごめんなさい! ちょっと僕が言い過ぎましたからもうやめてください!!』



余計ムカつくなこいつ。



『なんてな! そんな簡単におれが許し乞うとでも思ってんのかこの黒豆脳みそ男!』



悪口なのかなあこれ。



『お前だよお前! 澄ましたツラしてるんじゃねえぞ、今に八つ裂きにして燃えないゴミの日に出してやる!』



よくしゃべるなぁ。



『聞いてんのかボケナス! ちんぽでかそーな鼻しやがって、鼻の穴にクレヨン突っ込んでやろうか若造!』



明日のフリマに出そう。こいつ。



『あ、ちょっと待っていただけませんか。市場に出るのだけは勘弁していただけませんか。合理的に、平和的に、お互いが幸せになれる方法を模索しましょう』



じゃあ寝かせろよ。



『イヤだよバカ! お前なんか寝違えて首の骨折っちまえ!』







マクラとか以前に、うるさくて眠れない。