ハウルの動く家。


実を言うと土曜に彼女とハウル見てきたんですよ。その感想というか、評価をね。したいと思います。うん、誰も、知りたくないのは前提でお願いしますから。ね。お願い。聞いて。


話題の木村拓哉こと僕の分身が声優をやっているのは有名な話で、それに関してジブリファンとキムタクファンが論争を起こしていたのはだいぶ前の話ですが(イラク戦争の発端とも言われています)、今回見てみて。
いやはや、まったく違和感ないですね。キムタクだとは正直気づかないレベル。
さすがといいますか、どっちかっていうともう誰でもよかったんじゃないか、もうむしろ僕でよかったんじゃないかなんて思います。


で、これは完全に個人的な全体の感想ですが、一言で言うと。



「ちょま…ちょま…ちょ待てよッ!!」(キムタクのマネするホリの声で)



て感じ。
要するに、全然中身が追いついてない。原作に下手に忠実にしようとしたのか、詰め込みすぎ。世界背景の説明などは皆無だし、となると方向性は「広大な世界の中のちいさな物語」になるわけですが、それとしても中途半端。
そもそもハウルと国家権力者が関わりを持っている時点で規模は巨大なわけだし、そのわりに観るものを取り残したまま新キャラ(主に使い捨て)の嵐。その使い捨てキャラの中に大塚明夫演じる国王がいたことに、僕は胸を痛めずにはいられませんでした。明夫をなんだと心得る。
途中で妹と母親の区別がつかなかったのはきっと疲れてるからだよね。


いえ、途中までそこそこ面白く見てたんですよ。
でも、城が壊れたあたりかな。なんかそこから急展開で、「え、え……ここで終わるの?」みたいな。「ちょ待てよッ!」みたいな。
謎を残して観るものに考えさせる作品は多々ありますが、それにしちゃ謎多すぎ。単純に、表現を放棄しただけにしか見えないのです。





だから、僕は今回の映画でカルシファーのみを観続けていました。
彼を演ずるのは前作「千と千尋の神隠し」に登場するカエルこと、我修院氏。
それを観てからというもの僕の持ちネタにそのモノマネが含まれているのですが、全く同じ声で変なB級キャラを演じるということで、もう心はハウルとかいう歯抜け魔法使いではなく、ソフィーとかいう仰天クソババァでもなく、ただひとつ、火の精霊カルシファーのみに向かっていたのでした。
今回の映画をあわせると、僕の持ちネタはこうなります。




「千だっ、千をよこせっ! おれは客だぞ、風呂にも入るぞっ! で、千と、女と、金と、名誉と、あと薪をくれっ!」







よくばりすぎた。