毛乳頭を刺激する。(熱と電気で)




なんとなんと、現在メンズTBCではヒゲを安く抜けるキャンペーン(初回限定)を実施しており、僕はまんまとひっかかってしまったのでした。オジャーン!
午後からは南大沢で明日の秋道に向けてさイこ調整会があるので、通り道である吉祥寺スタジオで受けることに。ホントは二人以上で行きたかったのですが、持ちかける友達みな「あ、俺はいいよ。エステとか興味ないし(笑)」みたいな冷たいノリで正直寂しかった。コレ、ホントウ。カワイソウ。コレ、ヤル。誰?


道に迷うこと2時間半(実話)、ようやくたどり着いたころには予約の次のシフトが始まっていました。
「ご予約のCHANG(一応本名伏せ)様ですね。お待ちしておりました。マジで」
すみません…
「では本日お相手させていただきます、オペレーターの小林と申します。よろしくお願いします」
あ、こちらこそよろしくお願いします。
「では早速ですが、今日はどのような感じをご所望でしょうか?」
えーと、鼻下のヒゲをキャンペーンの100本抜きで間引いてください。
「なるほど。では、とりあえずこの用紙にご記入の上、少々お待ちください」


ふーむ。なかなかいい感じのところです。
お茶も出してくれるし、狭いながらも清潔感のあるスタジオはさすが、といった感じ。アンケートを記入するとしばらくして、自分の肌をチェックする段階になりました。


「はー。お肌きれいですねー。なんかケアとかはされてるんですか?」
いえ、洗顔のあとごくまれ(ぶっちゃけ半年に1回)に乳液つけるくらいしか。
「それでこれですかー。いや、羨ましいですよホントに」
いえいえ。で、どうなんでしょうか。濃いほうですか?
「いえ、22歳の方としてはむしろ薄いほうですね。伸びるのも遅いほうですし、綺麗だと思います」



その後の話を要約しますとね。
毛というのは当然サイクルで生えてくるわけです。で、カミソリなどで剃ったとしても奥に残るのは必然な話で、なおかつですね。カミソリで剃ると実は表面の肌をも削っていることになるんです。
簡単な話、ヒゲを剃り続けるとその部分の肌も削られ傷ついていきます。油分が足りなくなり、頬などの皮膚と比べてみると一目瞭然、色が変わってきまうのですね。
一般的に言う「青み」っていうのは、「ヒゲ削り」を繰り返すことによって皮膚が傷つき、だんだんと黒ずんでしまうことによる色素変化。プラス、埋もれた毛の黒がうっすらと見えるからなんですね。
かといってヒゲを下手に抜くのもよろしくない。というのも、抜き続けることによって毛穴が閉じてしまい、しかし毛は伸びようとするので、毛穴から出てこない「埋もれ毛」が完成してしまうわけですね。要するに、単なる青みの原因にしかならないヒゲの完成になるわけです。
エステというのは、定期的に通ってこそ意味があるもの。仮に全部の毛を抜いたとしても、まだ奥に残っているヒゲはあるわけで。
それを定期的に抜き続け、ケアしていくことでだんだんと薄くなっていくのですね。



要するに、11万円なのです。



覚悟はしていたのですが、こういうキャンペーンって新規の客を増やすためのものですから、スタッフも必死で勧誘してくるわけです。僕も毅然とした態度で返さなくてはなりません。


「つまりですね、逆にこのコースにすると学生さんはお得なのですが、逆にお小遣い程度で済ませられるんですよ。逆に他のコースを選んでも、逆にこれはこれでお得になるんですが、逆に徹底するならば、逆に会員になるのも手だと思います」


どんだけ逆なんだか。
そんなスタッフの口癖だけが頭に残りつつ、スタジオをあとにしたのでした。普通に、断って。


使用する機械はですね、毛穴よりも細い管で毛乳頭を熱と電気で熱して殺し、そのあと毛を抜いていくというもの。毛乳頭も所詮はたんぱく質なので、ゆでたまごのように固まって死ぬんですね。それを繰り返していくんですが、まぁ痛い。
アゴだけでも痛いのに、鼻下なんてとんでもない話。勘弁していただきたい話。
もう行くもんかと固く胸に誓いました。