さイこロードは無事終了しました。来場してくださった皆さん、ありがとうございました。マジで。





ところで今回は古参だったメンバーのSくんの話なんですが。
彼は独特のキャラクターをしていまして、初めて会った5年ほど前からすでに、特徴のあるしゃべり方をしていました。正直、最初見たときは引きましたね。「あぁ、こんな口調のやつマジでいるんだ」と。
とはいえ、こだわりジム主催のイベントやら、公式イベントやらで少しずつ仲良くなっていった彼。変な言い方すれば「慣れていった」わけです。
大勢のメンバーと行動をともにすれば、人間少なくともある程度の協調性が出てくるものです。彼とて例外ではありませんでした。いつしか、メンバーの中では欠かせない存在になっていったのです。


彼が変わっていったのは1年ほど前からでした。
「自分のキャラクターを認めてくれる人間の世界の中でのみ自己主張できる」タイプは、逆にいえばそうでなくなると殻にふさぎこむ等の行動に移ります。こうすることによって、「自分にはまだ別の世界がある、こいつらとは一緒にいなくても自分は大丈夫だ」という自己確認を行うというプロセスに移行するのです。
彼はそのタイプと少なくとも類似している部分があります。要するに、一瞬輪から外れた瞬間から、別の世界を形成して自分の存在確定を行うと。具体的には愚痴などの独り言が多くなること、ケータイをいじくって別の友達をアピールする等。不安の裏返しとも言えるその行動は、彼の行動の一部にも見られました。(とくに前者)


加えて、恋愛関係で事態は泥沼にもつれ込みます。
もちろん、恋愛は個人の自由ですから、誰がどうこう言う必要はありません。しかし、間違いなく他人に迷惑をかけている行動を、彼自身が把握することは最後まで出来ませんでした。それは、彼が「自分の世界でのみ活動をしている」ためかもしれません。
物語の主人公は彼の中では彼でしょうが、ではその物語から脱落した人間は「彼の世界」からは消去されてしまうのでしょうか。
現実世界では、NOです。
二度と会わないと固く誓っても、どこかでばったり会ってしまう可能性があるのがこの世界です。そう、相手は死んでいないため。この「3次元の現実世界」からは存在が消えていないため。
上はたとえですが、仮に彼がそのようなライフスタイルを形成している場合、簡単にいえば「非常に自己中心的な性格」と判断されます。自分と関わってくる人間のみを対象に「物語」を形成しているので、そうでない存在、言うならば「脱落」した人間に対しては絶対的な冷酷、もしくは存在の否定(要するに無視ですね)で対応すると言えます。


「自分の興味がない人間に関しては、迷惑をかけても気づかない」わけです。


僕は彼のキャラクター、本音が意固地な部分は好きでした。ですから、数度に渡り「気を使って」きたり、「彼自身が気づくように」問題の把握をさせたり、解決方法のヒントを与えたり、場合によっては「やってはいけないこと」をアダムとイブに出てくる蛇のように囁いて判断させようとしたことも実践しまし、なんとか彼が周りと順応できる人間になれるように努力しました。これは彼からすれば余計なお世話となりますし、サークル代表からすれば義務とも言えますし、彼の友人からすれば「橋渡し」のヒントになりえます。


意固地な人間というのは、自分の痛いところを突かれるのが大嫌いです。僕もそうです。
ですから、話を聞いても、頭では理解していても気持ちがついていかない。わかってはいるんだけど言うとおりにしたくない。
逆に、言われるとムカつく。
など、性格が災いしてしまってか、話はほとんど「伝わって」いませんでした。これには僕も非常に無念と呆れを感じました。