6年一緒に戦ったアイツとの、お別れ。


[ゲンガー] HP80 超   弱点なし 抵抗力 闘 逃げるコスト 2
ポケパワー「やみのちから」
自分のターンに、手札からこのポケモンに進化させたときのみ1回だけ使うことが出来る。コインを投げて表なら、相手のポケモン一体を選び、ついているカードすべてを含めて相手の手札に戻す。



僕がこのカードに始めて出会ったのは6年前の夏、僕が高校1年生のときでした。当時はまだ「前の裏面」の時代で、「通信進化キャンペーン」というキャンペーンが行われていたのです。ゲームのポケモンになぞらえて、例えば「オムナイト」のカードを送ると、「オムスター」のカードが帰ってくるという、極めてユニークなシステムです。


そこで僕の手元にきたのは、ゴーストの進化した「ゲンガー」でした。
当時僕の技術といったらそれはとてもとてもちゃっちいもので(今でもそうですけど^^;)、このゲンガーの使い方もわからず、それでもなんとなくかっこいいからという理由でデッキに使い始めたのです。最初はただゴーストからの進化セットに入れただけのなんの工夫もないデッキ。打撃力もなく、負けてばっかりでしたけど、なんとなく入れっぱなしで対戦をし続けていました。


意地になってきたのはいつごろでしょうか。時代がネオになって流行ったのはニューラでしたっけ。ほぼ80%、負け続けてそれでも使っているうちに、僕の中で「オレのポケモンカードはこいつが中心になっている」と思い始めたのです。
それからというもの、僕はつたないながらも研究を始めました。相手の手札を邪魔するカード、場を邪魔するカードと色々を目を向け始めたのです。


最初のチームはヨルノズクと悪いハクリューでした。
手札からトレーナーカードを排除する「みやぶる」とこちらにゲンガーを与える「しんかのひかり」。お世辞にも強いデッキではありませんでした。
今はなきフューチャービーの試合でも叩かれましたっけ。なんでそんなクソカード使ってんのー、とか。殴ったほうが早いじゃーん、とか。悔しかったですね。だからこそ、こいつをもっと強くしたいと思いました。


時代は新裏へ移行しました。前の裏面は淘汰される時代です。
すると発売されたのが「ポケモンカードWEB」です。
僕がパックをあけると、入っていたのはゲンガー。そう、相棒は新しい世界にもついてきてくれました。そこから僕のゲンガーは少しずつですけど、強くなっていったのです。


ポケモンカードeシリーズ4弾で手に入れたクロバットと砂漠のシャーマン。その2枚のカードがゲンガーを一気に強くしたのです。
「やみのちから」→「砂漠のシャーマン」→「やみにつれさる」。
場から手札にポケモンを戻し、シャーマンで山札強制に強制連行。その後クロバットの能力で手札破壊と困っていた打撃力を補い、僕のデッキは練馬区おもちゃ屋の連中をへこます強さを手に入れたのです。


それからというもの、e5でレトロエネルギー、海底遺跡。ADV2でアブソルという相方に恵まれ、常に改良を重ねていったゲンガーデッキ。
現在では、PCG2に登場した僕の大好きなポケモンである、グラエナが相方をやっています。今の形が6年の研究の成果だと思うし、現在のレギュレーションの中では僕的に最高の相棒になっていたと思います。


1回の対戦における「やみのちから」の回数は既に20回を越すように工夫に工夫を凝らし、初見の相手の驚く顔だけが見たくて、「俺のデッキを見てくれ!」とばかりに勝っても負けても楽しい対戦を目指していました。
僕が納得するまで育てたデッキなのだから、負けても無駄に悔しくはありません。ただ、自分の強さで相手にどれだけ通用するかが見たくて対戦していました。
また、コインのポケパワーであるところが何故か親しみを持つ要素に繋がっています。ゲンガーのご機嫌がよければうまく戦えるし、そうでなければ厳しい戦いになるし。おかげで、すごく楽しい対戦をここ数年やってきました。




2005年春のイベントで、ついに黄色枠の使用禁止が通達されました。
僕のポケモンカードをやるモチベーションの最大のひとつである、「やみのちから」使用停止。
いつか来ると思っていた、ゲンガーとのお別れのとき。



どんなにレギュレーションが変わってもついてきてくれた、たった1匹の相棒。
負けたって勝ったって、対戦相手と楽しく試合をできた、いつだってケースに入ってる大切なたからもの。


ついに、このときがきました。


公式試合で使用不可ということは、即ちルール上から消えるということ。
ゲンガーは、ポケモンカードゲームでは使えないカードになってしまったのです。


さよなら、ゲンガー。
そして、本当にありがとう。
またいつかみたいに、新しい顔で復活する日を待ってるからね。






なんてな。
ばっかでー。公式で使えないって通達されたからって泣き寝入りする俺じゃないってんです。
曲りなりにも7年イベントに関わってきて、かつ3年も「さイこ」の運営やってきたんです。こんなとこで負けてられますかっての。
試合で使えないなら、使える試合を作ればいいジャナイ!
これでも関東自主開催では最大規模のイベントを自負する自分です。こーなったら来年やる「PSYCHO STORM 〜公式にケンカ売ろうぜ!〜」で本気で楽しいイベントやるしかないっしょ。
ゲンガーとのお別れなんて、それは公式での話。俺はこれからもこいつを使い続けるし、その場を作って他のみんなと同じ思いを共有していくつもりです。



いいか、ポケモンカードは「遊び」なんだから。
決して「受身」でやるもんじゃねえんだぞ。
遊び方が排除されたなら、自分で作ればいいんだ!



 
楽しくなけりゃ、遊びじゃないじゃん!